今さら聞けない「比重」の話
理解していそうでアヤシイ「比重」。今回は防水に関わる比重の話をご紹介します。
雰囲気で覚えている事が多い「比重」。簡単な人には簡単な、今更聞けない「比重」を防水材料に絡めて解説します。
比重とは、「物質の密度」と「水の密度」の比のことじゃな。
同じ体積で水より質量(重量)が大きい場合「比重が大きい」と言うぞよ。

同じ体積でも、こんなに重量が違うんじゃ。ちなみに鉄の比重は「約7.8」ぞよ。
カスタムコーチングS施工可能m数
アスファルト系防水の端末シール材「カスタムコーチングS」1缶(箱)あたりの施工可能m数をご紹介します。(カスタムコーチングSの比重は「1.35~1.5」程度です。(計算しやすいよう「1.5」で説明))


10×10充填した場合
| 製品規格 | 施工可能m数 |
|---|---|
| 22㎏/缶 | 約146m/缶 |
| 11㎏/缶 | 約73m/缶 |
| カートリッジ | 79.2m/箱 |
10×10(ジュウノジュウ)とは10㎜×10㎜でシール材を充填するという意味じゃ。体積では㎝で計算するから1㎝×1㎝となるわけじゃな!
計算方法(22㎏)
水22㎏は「22,000cc」、比重「1.5」より
22,000cc÷1.5 ≒ 14,666cc
1mあたり必要な容積は1㎝×1㎝×100㎝=100㎤
つまり 100cc/m です。
14,666cc÷100cc/m≒146m
カスタムコーチングS22㎏缶は 約146m分の施工が可能です。
【容積の単位】
- 1L = 10dL = 1,000mL =1,000cc
- 「cc」はcubic centimeterの略
- 1,000cc = 1,000㎤
計算方法(カートリッジ)
カートリッジは1本330cc。
上記の通り、100cc/mであることから
330cc÷100cc/m=3.3m/本 24本入りなので
3.3m×24本=79.2m/箱
カスタムコーチングSカートリッジは 79.2m分の施工が可能です。


ウレタン塗膜防水材の厚み
ウレタン塗膜防水材「セピロンコートQ」「カイザーコート」の膜厚と塗布量の関係をご説明します。
| 製品名称 | 規格 | 比重 | |
|---|---|---|---|
| セピロンコートQ | 18㎏ | 1.3 | |
| カイザーコート | 30㎏ | 1.2 | |
膜厚と塗布量の関係
| 製品名称 | 2.0㎜ | 3.0㎜ | |
|---|---|---|---|
| セピロンコートQ | 2.6㎏ | 3.9㎏ | |
| カイザーコート | 2.4㎏ | 3.6㎏ | |
計算方法(膜厚から塗布量)
膜厚×比重=塗布量
例)セピロンコートQ 2.0㎜厚×1.3=2.6㎏/㎡
計算方法(塗布量から膜厚)
塗布量÷比重=膜厚
例)カイザーコート 3.6㎏÷1.2=3.0㎜厚
紹介したウレタン塗膜防水材は主剤と硬化剤の2液で構成されており、混錬して硬化したものの比重のことを「硬化物比重」と呼ぶぞよ。少し前までは「硬化物密度」と呼ばれていたぞよ。

