業界トピックス

工法比較(改質アス VS 塩ビ)

改質アスファルト防水と塩ビシート防水の相違について、徹底比較します。(改修工事限定)

全体比較ではなく「改質アス常温工法」と「塩ビ機械固定工法」に絞って説明するぞい

改質アス常温工法

改質アスファルト防水常温粘着工法の略。(ルーフィング裏面の粘着層で下地に張付ける工法)

塩ビ機械固定工法

塩化ビニル樹脂系シート防水機械固定工法の略。(シートをディスク板を用いて下地に固定する工法)

工法比較(一般)

実績環境コスト
改質アス◎・○
塩ビ

【実績】
 共に十分な実績
【環境】
 塩ビは溶剤を使用
【コスト】
 改質アスは、1枚張りで◎、2枚張りで○

工法比較(防水)

防水性能低温性能耐風圧性
改質アス◎・○
塩ビ

【防水性能】
 改質アスは、1枚張りで○、2枚張りで◎
【低温性能】
 改質アスは、低温時でも劣化しにくい特性
【耐風圧性】
 塩ビは、台風時などに飛散のリスク

工法比較(改修後)

改修性補修性歩行
改質アス非歩行
塩ビ軽歩行

【改修(容易)性】
 塩ビは、ディスク固定により次回改修が困難
【補修性】
 塩ビは、改質アスと比較して補修工事が困難
【歩行】
 塩ビは、1.5㎜厚「非歩行」2.0㎜厚「軽歩行」

非歩行
メンテナンス(点検、清掃など)程度の歩行
軽歩行
特定多数が、びょうのない革底の靴、ゴム底の靴、スリッパなどによる歩行

塩ビの機械固定を改修する場合、既存の塩ビシートの接着強度が低い上、約600㎜ピッチでディスク板を固定するため次回の改修が困難なんじゃ。

経年した塩ビは硬くなり、汚れの付着もあることから補修工事がやりにくいんじゃ。端部のシール処理や接合部の処理など工程数が多く、用意する工具・材料も多いんじゃよ。

工法比較(その他)

意匠性騒音工期
改質アス◎・○
塩ビ

【意匠性】
 塩ビはシート系防水で唯一意匠性に優れる
【騒音】
 塩ビは、ドリル音や振動が発生
【工期】
 改質アスは、1枚張りで◎、2枚張りで○

「改質アス」は防水・環境性能などに、「塩ビ」はコスト・意匠性・施工性に優れていることが分かるぞよ。これらの特性から工法を選択することが重要じゃ!

この説明だと改質アスの方が良い感じに見えるんだけど、塩ビもたくさん施工されているよね?

うむ、塩ビの機械固定は、寒冷地の降雪後・小雨が降った翌日みたいな「下地が少し濡れていても施工可能」という長所があるんじゃ。そして、最大の魅力が「誰でも施工しやすい工法」なんじゃ! 改質アスは職人熟練度により性能が大きく左右されるぞよ。

それでも僕は「改質アス」を推奨する!防水工法に求められる最大の性能は「防水性能」だからね。