日本建築家協会仕様書とは?
日本建築家協会が監修している「建築工事共通仕様書」があることをご存じでしょうか?
今回は、防水工事に絞って仕様書をご紹介します。

【用語解説】
日本建築家協会 建築工事共通仕様書
日本建築家協会(JIA)が監修、大阪府建築家協同組合が発行している仕様書
初版は1964年、毎年4月に改定し2025年度版で61版
2025年版の改定ポイント
日本建築家協会の仕様書には、前年の仕様書との相違を記載した「改訂概要」が同梱されておるんじゃ
それは便利だね、何が変わったの?
防水工事に限っては重要な変更はないぞよ。あえて言えば「耐震スリット部に関する文言の削除」じゃ、耐震スリット部を跨いだ防水は性能上好ましくないため「増張り方法」等の文章を削除したのじゃ
防水仕様概略
標仕で採用されている仕様から、在来工法を省いたラインナップという感じじゃな
ザックリとした説明は下記を読むと良いぞい
アスファルト防水
【歩行用屋根防水層】KP-10/20、KPI-10/20
公共建築工事標準仕様書の「B-2」「BI-2」相当の仕様のみを採用
在来工法であるアスファルトルーフィングを主体とした仕様や、密着工法は採用していない
【露出屋根防水層】KS-10/20、KSI-10/20
公共建築工事標準仕様書の「D-2」「DI-2」相当の仕様のみを採用
在来工法であるアスファルトルーフィングを主体とした仕様や、密着工法は採用していない
尚、デッキプレートの上のコンクリートの場合は「D-1」「DI-1」相当の仕様
【室内防水層】KID-10/20
公共建築工事標準仕様書の「E-1(防水層3枚)」「E-2(防水層2枚)」相当の仕様を採用しているが、標仕の「E-1(防水層4枚)」相当は採用していない
改質アスファルトシート防水
【トーチ工法】KAS-10、KASI-10
公共建築工事標準仕様書の「AS-T3」「ASI-T1」(複層絶縁仕様)相当の仕様のみを採用
【常温粘着工法】KASJ-10、KASIJ-10
公共建築工事標準仕様書の「AS-J3」「ASI-J1」(複層絶縁仕様)相当の仕様のみを採用
合成高分子系ルーフィングシート防水
基本的に、公共建築工事標準仕様書相当の仕様を採用しているが「エチレン酢酸ビニル樹脂系防水工法」のみ不採用
塗膜防水
公共建築工事標準仕様書相当の仕様を採用している
標仕との違い
歩行用屋根防水層「KP-10」を例にとると、公共建築工事標準仕様書B-2とは微妙に異なっています。

平場1層目ルーフィング(ピロウエルドE)
- 入隅の際まで張り付ける(標仕では、500㎜程度離す)
- 入隅増張りに先行して張り付ける(標仕では、入隅増張り材と交わらない)
- 突付け部の増張りがストレッチルーフィング(標仕では、改質アスファルトルーフィング)
立上り1層目ルーフィング(ニューメルタン15)
- 平場への張下し200㎜程度(標仕では、150㎜以上)
増張り材
- 入隅増張り材の規定がない(標仕では、幅300㎜以上のストレッチルーフィング)
網状ルーフィング(ニチロンメッシュ)
- 幅70㎜程度(標仕では、幅100㎜程度)
上記以外にも異なっている箇所があります。詳細は、最寄りの営業所までお問い合わせください。
日本建築家協会で規定している防水仕様についての詳細は、下記カタログをご参照ください。