建築工事監理指針の変更点の解説
令和7年版「建築工事監理指針」が10月23日に発刊されました。今回は9章「防水工事」の変更点を解説します。


重要改定は多くありませんが、赤字で記載した部分は是非チェックしてみてください!!
共通事項
引用JIS規格の削除
JIS規格の図表などはネット閲覧可能な事から可能な限り削除(JIS K 2207 防水工事用アスファルトの品質表などは削除せず)
常用漢字化による変更
はく離 → 剥離、 き裂 → 亀裂
継目シートの名称・寸法変更
絶縁工法の場合における部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート長手方向の継ぎ目に張り付ける改質アスファルトルーフィングシートの寸法を明確化し、図表を変更

監理指針に表記している「200×1,100(㎜)程度」は「200×1,100(㎜)以上」の誤表記であると思われます。
(上位仕様書である「公共建築工事標準仕様書」では「200×1,100(㎜)以上」と表記)
- 呼称を「帯張り用のルーフィング」から「粘着層付改質アスファルトシート」へ変更
- シートからのはみ出し幅「50㎜以上」から「100㎜以上」へ変更
アスファルト防水
大きな変更点は上記「共通事項」又は公共建築工事標準仕様書(以下「標仕」)変更による改定のみ
改質アスファルトシート防水
防湿用シート設置位置の明示(p.788)
令和4年版では(寒冷地では)「防湿用シートの設置が望ましい」に留めているが、令和7年版から「断熱材の下側に防湿用シートを設置することが望ましい」と明確化
増張り用シート(p.790)
「材質」「重ね幅」が不明瞭であったことから、令和7年版で以下を追記
(b)種別AS-J1、ASI-T1及びASI-J1の増張り用シートは粘着層付改質アスファルトシートを用いる。
(c)増張り用シートを突付け張りした場合、施工中の水の浸入やトーチバーナーの炎による断熱材への引火等の危険性があることから増張り用シート相互は重ね合わせ、その重ね幅は30㎜程度とする。
立上り図の変更(p.795-797)
令和4年版では「立上り末端部の図が未記載」でしたが、令和7年版ではアゴ付パラペットを含めた図」に変更
貫通配管根元部のシール処理(p.799)
標仕改定に準じて、貫通配管の根元部のシール処理は令和4年版の「必要に応じて」から「塗り付ける」に変更
合成高分子系シート防水
プライマーの塗布(p.812)
エチレン酢ビ系(S-C1)の場合、令和4年版では「左官ばけ等を用いて規定量をむらなく塗布する」令和7年版では「その日に張り付けるルーフィングシートの範囲に」を追記
接着剤の塗布・適用(p.812)
令和4年版
種別S-F2でエポキシ系又はウレタン系接着剤を用いる場合は、下地面のみに、種別SI-F2でエポキシ系又はウレタン系接着剤を用いる場合は、断熱材面のみにむらなく塗布する。
令和7年版
種別S-F2、SI-F2において、シートと下地面あるいはシートと断熱材の接着にエポキシ系又はポリウレタン系接着剤を用いる場合は、下地面にのみ、あるいは断熱材面のみに、むらなく塗布する。種別SI-F2において、断熱材と下地の接着にポリウレタン系又は変成シリコーン系接着剤を用いる場合は、下地面若しくは断熱材裏面のいずれか片面に部分的に所定量を塗布する。
塗膜防水
用語の適正化又は公共建築工事標準仕様書(以下「標仕」)変更による改定のみ

