業界トピックス

下請法改正

2026年1月1日 下請法が改正・施行されました。
今回の改正により、適用対象となる取引や事業者の範囲が拡大され、中小受託取引の公正化と 受託側の中小企業の利益保護が強化されました。

下請法は「下請代金支払遅延等防止法」の略称じゃな。今回の改正で法律の名称が、取適法(中小受託取引適正化法)に変更されたぞよ。ちなみに「受託側」は「下請側」と同じ意味じゃ。

取適法の適用範囲

「製造委託」「修理委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託」の四つの類型
建設工事の請負契約は「建設業法」が適用

主な改正ポイント

価格交渉の義務化

  • 親事業者は下請け側の価格交渉に応じる義務
  • 一方的な「据え置き」や「減額」は禁止
  • 協議記録を電子的に保存する義務を追加

支払方法の厳格化

  • 手形払いの禁止→現金や確実な電子決済に移行
  • 電子記録債権など、満額を期日までに受け取れない場合は禁止

「手形のサイト」分が無くなり、現金受領までの期間が短くなるってことじゃな

政府方針をもとに産業界・金融界が連携して、「紙の手形・小切手の利用廃止」に取り組んでいて、2027年3月末までに「紙の手形・小切手の交換」が廃止されるのじゃ

※「約束手形・小切手の利用廃止に向けたフォローアップを行う」(「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版(内閣官房)」より)

保護対象の拡大

  • 資本金基準だけでなく「従業員数基準」を追加
  • 親事業者が従業員300人超なら規制対象、下請け側は300人以下なら保護対象
適用基準例(製造委託等)

対象取引の追加

  • 発荷主が運送事業者に対して物品の運送を委託する取引を追加

現行は「運送事業者」が「別の運送事業者」へ「再委託」だけの規制だったんじゃが、今回の改正で「発荷主」による運送事業者への「物品の運送の委託」も規制の対象になったってわけじゃな

親事業者が違反した場合の処罰規定

行政処分

  • 指導・助言:違反が軽微な場合、公正取引委員会や中小企業庁から改善を促す
  • 勧告:違反が重大な場合、是正を求める勧告が出される
  • 企業名公表:勧告に従わない場合、違反内容と企業名が公表される

刑事罰(罰金)

  • 一定の義務違反や悪質な禁止行為違反の場合、50万以下の罰金が科される可能性がある。

その他

下請け側の救済手段

  • 通報制度:下請け業者は、公正取引委員会や中小企業庁に違反事実を通報できる。
  • 報復措置の禁止:通報を理由に取引停止などの不利益を与えることは違法行為として規制

参考資料

建築業界での適用範囲

主な適用範囲

  • 運送事業者への運送委託
  • 設計図書の作成委託(設計事務所への依頼)
  • 資材製造委託(建材メーカーへの発注)
  • BIMモデルや測量データ作成

建設工事の請負契約は、取適法の対象ではなく建設業法が適用されます。

今回の改正で、設計事務所や資材メーカーなど下請け側の交渉力が強化され、労務費や資材高騰を反映した価格設定がしやすくなる一方、元請側は契約・支払・交渉の透明化を徹底する必要があります。