建設業法改正
建設業法の改正が2024年から段階的に施行され、2025年12月で全面施行されました。 今回は、防水業者が注意すべきポイントを説明します。
「深刻な人手不足」「働き方改革への対応」などの構造的問題を解決するために改正されたんじゃ
改正ポイント
①労務費の基準明確化
- 国が「労務費の基準」作成公表
- 著しく低い労務費での見積依頼、見積提出は禁止
防水業者の実務ポイント
- 見積書に「労務費の根拠」を明確に記載する必要が高まる
- 一律単価ではなく、実態に基づく積算
- 下請としても「不当に安い見積提出」は禁止
②原価割れ契約の禁止
- 発注者の原価割れ強要を禁止
- 受注者(下請)も自ら原価割れ契約の禁止
防水業者の実務ポイント
- 「赤字覚悟の受注」は法令違反
- 原価計算の精度向上必須
- 価格交渉の根拠資料(資材価格、労務費)が必要
③資材高騰時の価格転嫁ルール強化
- 契約前:資材高騰のおそれ情報を通知
- 契約書に「請負代金変更方法」を必ず記載
- 契約後:高騰が発生したら誠実協議(公共工事は義務)
防水業者の実務ポイント
- 契約書の「変更条項」を必ず確認
- 高騰時は協議を申し出る権利
- メーカーの値上げ通知や統計資料などの保存
④工期ダンピング対策
- 不当に短い工期での契約を防止
- 工期設定の合理性が求められる
防水業者の実務ポイント
- 「梅雨時期」「乾燥時間」「下地状態」「工程間調整」など、防水特有の工期リスクを説明し、適正工期を主張する。
- 無理な工期での受注はリスク(品質・事故・違反)
⑤ 働き方改革・専任技術者の合理化
- ICT活用や専任義務の合理化
- 長時間労働の是正が前提
防水業者の実務ポイント
- 現場管理のデジタル化(写真管理・工程管理アプリ等)
- 労働時間の記録、管理が重要
特に注意すべきポイント
「安さで取る」営業は通用しなくなる
- 原価割れ禁止
- 著しく低い労務費の見積提出禁止
→ 違反すると行政処分の可能性あり。
見積書の透明性が必須
- 労務費、材料費の内訳
- 根拠資料の保存
- 値上げ時の協議資料の準備
工期の適正化
- 防水工事は天候・乾燥時間などに左右されるため、無理な工期は品質不良・事故・違反リスクにつながる。
契約書のチェックが重要
- 工期設定の合理性
- 価格転嫁の協議方法
下請でも「誠実協議」を求められる
- 元請からの値下げ圧力に対して、法的に協議を求める根拠が強化される
今回の建設業法改正では、「適正価格・適正工期・適正処遇」が求められていますので、防水業者にとっては、「適正な見積・工期の合理性・契約内容の確認・価格転嫁の根拠資料」が特に重要になります。
参考資料
- 改正建設業法について(出典:国土交通省)
- 建設業法・入契法改正(令和6年法律第49号)について(出典:国土交通省)
- 労務費に関する基準ポータルサイト(出典:国土交通省)

