濃度基準値設定物質とは?
2026年4月 労働安全衛生法の改正により「濃度基準値設定物質の空気中濃度を基準値以下に抑えること」が義務化されました!
先週のトピックス「化学物質管理とリスクアセスメント」を合わせて読むのじゃ!
濃度基準値設定物質とは?
厚生労働省が「労働者の健康障害を防ぐため、空気中濃度に基準値を定めた化学物質」のことで、現在は約179物質が指定
【濃度基準値の種類】
- 8時間濃度基準値(TWA):8時間の時間加重平均濃度
- 短時間濃度基準値(STEL):15分間の時間加重平均濃度
- 天井値(Ceiling):瞬間的にも超えてはならない濃度(アクロレイン等4物質)
建設業で対象となる物質
建設業で対象となる可能性が高い濃度基準値設定物質は下記5項目じゃ
①塗装・防水・接着作業(有機溶剤系)
トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸sec-ブチル、メチルイソブチルケトン、 メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノブチルエーテル
防水材・塗膜材・接着剤・シーリング材などで使用されることが多いぞよ
②溶接・金属加工(ヒューム・金属酸化物)
金属アーク溶接ヒューム(マンガン化合物)、六価クロム化合物(ステンレス溶接時)、ニッケル化合物
③解体・改修(粉じん・酸・アルカリ)
シリカ(結晶質シリカ粉じん)、塩酸ミスト(タイル洗浄・コンクリート洗浄)、苛性ソーダミスト
④清掃・脱脂・設備メンテナンス
ジクロロメタン(塗膜剥離剤)、トリクロロエチレン(洗浄剤)
⑤その他
ホルムアルデヒド(合板・断熱材・接着剤)、アセトン(洗浄・希釈)
ばく露低減措置とは?
「危ないものを安全に使う」ため「SDS・ラベル情報」を基に、危険性・有害性を評価した上で、ばく露低減をする措置をすることじゃな
濃度低減措置の優先順位は、工学的対策 → 管理的対策 → 保護具他の順じゃな
【工学的対策】
- 換気の確保(局所排気・送排気)
- 密閉化、飛散防止
【管理的対策】
- 作業時間の短縮
- 代替材料の検討
【保護具他】
- 保護具(防毒マスク、保護手袋、保護衣など)の適正使用
- 作業手順書の整備
記録の保存は何年?
最低3年間保存が義務なんじゃ、がん原性物質は30年間じゃぞ
施工業者として厳守すべきことは?
防水施工業者が特に留意すべきは、下記4項目じゃ
- SDSを読む(特に第2項・第8項)
- 保護具の適正な選択と着用
- 屋内作業は必ず換気
- 火気厳禁
化学物質管理の対象物質の拡大要因
最近の労働災害データでは、特別規則(特化則、有機則等)対象物質以外の化学物質による健康障害が8割を占め、重篤な災害事例(石綿ばく露労働者の肺がん・悪性中皮腫、印刷工の胆管がん、染料製造労働者の膀胱がん等)も発生しておる
また、中小企業の管理不足を改善する必要もあり、現場に合せた「自律的管理」へ制度転換したんじゃな
毎年50〜100物質のGHS分類の進展で危険性が科学的に明確化され、対象を広げられたんじゃよ



